この物語は、実際の出来事をもとに描いた絵本『いびらのすむ家』の、その後の家族の日常の物語です。
お母さんが亡くなり、遺された家族3人の会話は、どんどん少なくなっていきました。
お父さんは通りかかったペットショップで、一匹のやせ細った子犬と出会います。
「なんだ、おまえ、オレとそっくりじゃないか。元気出せよ」お父さんは、その子犬が愛おしくてなりませんでした。 お父さんは、その子犬を家族として迎えます。
この物語のテーマは、私たちの暮らしの中の、死別の悲しみを溶かしていく作用の存在についてです。
可能な限り、実体験に忠実に描きました。(吉田利康)