この物語は、ホームホスピス『神戸なごみの家』での実際の日常を、そのまま描きました。 なごみの家は、幅広い年齢の、さまざまな病気の人が暮らしています。 姫ちゃんは、生後3カ月でなごみの家に来ました。なごみの家に住む人たちは姫の大事な家族です。 やんちゃでお茶目な姫は、みんなに可愛がられながら、すくすく賢く成長しました。
命あるものすべてに等しく死は訪れますが、別れはやっぱり悲しくて涙が出ます。
でも、その日まで過ごしてきた日々の思い出には笑顔があふれています。
人の死が身近にあるから怖いのではなく、誰にでも訪れるから、1日1日を大切にしたいと思っています。
あるとき、ご遺族から「母は、旅立っても、なごみの家の仲間と一緒にいるから寂しくないですね」と
言われたことがありました。なごみの家で最期まで過ごしてお見送りをしてきた方々と
姫は、今も一緒にいるのではないでしょうか。
NPO法人 ホームホスピス「神戸なごみの家」 理事長 松本京子