力持ちで 勇気のある若い侍、久右衛門。
幼い頃に母親を亡くしてから、声に出すのは「うむむん」それだけ。
その日、久右衛門は、門番の仕事をするため、暗い山道を城に向かっていた。
もう少しで城に着く曲がり角……そこに、女が立っていた。
『うむむん久右衛門』の元となる「梅津忠兵衛の物語」は、小泉八雲の「日本雑記」に収録されている日本の昔話を再話にした再話文学です。
この物語を、現代に合わせて書き直し《小泉八雲シリーズ・再話の再話・紙芝居》にしました。
いのちや出産を考える上で、とても大事な物語です。ぜひ、体感してみてください。
小泉 八雲 こいずみ やくも / ラフカディオ・ハーン(1850 ~ 1904年)
中学校の英語教科書に小泉八雲の怪談『ムジナ』がありましたが、それほどまでに日本で親しまれた作家です。
ギリシャで生まれ、アメリカに渡って新聞記者として名をあげ、その後、島根県松江市に移り住みました。
そこで、日本人女性小泉セツと結婚し、日本に帰化します。代表的な作品に『怪談』『知られぬ日本の面影』があり、中でも『耳なし芳一の話』『雪おんな』はあまりにも有名です。